その仕組みと始まりについて
投票率を上げること、また主権者教育を目的として始まったという「センキョ割」。
投票時に「投票してきました」という投票証明書を発行して貰い、それを持ってセンキョ割に参加している地域のお店に行くと何らかの特典が受けられるー
「コーヒーのお代わり無料」
「お会計から10%オフ」
「唐揚げ一個プレゼント」
など、参加店がそれぞれに特典を用意し、みんなで選挙を盛り上げよう!という仕組みである。
これを始めた、本業は塾講師であるという佐藤さんにお話を伺った。
団体でも、個人でも、誰でも利用できる
団体でも、個人でも、誰でも利用できるというこの仕組みは、主に学生ボランティアによって運営されており、「選挙割協会」「センキョ割実施委員会」と、「センキョ割学生実施委員会」の3つが主催団体として存在する。
この違いを説明する前に、「センキョ割」は、なんと商標登録されていることをお知らせしておきたい。
しかし、使用料が発生したり、ホームページに掲載して貰う為に手数料が発生するなどでは全くない。
公職選挙法に違反することのない正しい方法で、取り組む人たちが安全に活動できるよう、「センキョ割」を実施する際に、一声かけて貰う為だ。
この商標や、ルールの管理、学生ボランティアが運営上で何か問題にぶつかった時は弁護士まで派遣してくれるなど、安全にセンキョ割が実施されるよう、管理を担っているのが、「選挙割協会」。
学生たちが、実施店舗をセンキョ割HPへ掲載する、ポスターやチラシを用意するなどの実務・運営を担い、学生たちは活動を通して、選挙により身近に関わることになる。
これが「センキョ割学生実施委員会」。
そして、団体でも個人でも、センキョ割に取り組みたい!と申し出る、各地の運営者たち(大人たち)は「センキョ割実施委員会」として活動することになる。出入り自由で、イベント期間のみ参加することになる委員会、というイメージだろうか。
Since 2007〜
過去に遡ると、選挙割は2007年に早稻田商店街で、有志の店舗が実施したものが始まりという。
当時はこれを全国に波及させるための実施団体はなく、社会貢献活動の一環として、公職選挙法を尊重したルールづくりや、投票済み証明書が発行されていない地域にもセンキョ割文化を届けるため、主催団体の前身である、佐藤さんの(株)ワカゾウが、「センキョ割」の実施を様々な地域に声がけし、発展させてきた。
以前は、公職選挙法に触れる危険性が高い為、違法に位置付けられていたそうだが、今は総務省も「推奨しない」と扱いを緩めるなど、確実な実績を積み上げてきている。
目黒区では 〜来る4月の区長選挙で
目黒区では、青年会議所が4月の区長選挙の「候補者討論会」の企画とセットにして、センキョ割に取り組んでいる。
「青年会議所さんは、ちゃんとやってくれます」
目黒区だけでなく、他の地域でも主催されてきた経緯もあり「ルール作りもきちんとしている」という。
目黒区の選挙を盛り上げていく為に、ぜひ参加店舗が増えていくといい。
さらなる取り組みに向けて
そして今、センキョ割は全国規模となり、世界にも広がりを見せている。
学生たちのつながりから、日本にきた留学生を介して、ルーマニア、ドイツ、イギリスなどでも実施されたそうだ。
佐藤さんの取り組みも止まることを知らない。
センキョ割とは別に、「法哲学園」というプロジェクトで、「政治思想を擬人化」し、個々に思想が違うことは当たり前で、そこからどのように歩み寄るかー
そんなことを体験できる授業を各地の学校へ届けているという。
これももうすぐ、HPなどが出来上がるらしい。
また、取材をさせて貰うことをお願いしている。