都議会議員選挙2025 候補者ロングインタビュー
西崎つばさ 氏
立憲民主党
プロフィール
1983年11月、目黒区生まれの40歳。
円融寺幼稚園、向原小、目黒九中、都立青山高、東京外大英語科を卒業。
目黒雅叙園勤務の後、手塚よしお秘書、蓮舫秘書を経て、目黒区議2期、東京都議を1期務める。
家族は、妻・長男(9歳)・次男(6歳)・三男(4歳)・保護猫2匹。
ビールと野球と猫が大好物。
公式Webサイト:https://www.n283.com/
SNS_X:Tsubasa2439
SNS_facebook:nishizaki283
SNS_Instagram:tsubasa_nishizaki
SNS_LINE:友だち追加
目次
目黒区長選について
――西崎さんは昨年の目黒区長選に出られましたが、その後都議補選で再び都議に返り咲きました。青木区長が統一地方選と区長選を同時にするために3年で辞めるという公約を掲げられましたので、その通りだとすると2年後に目黒区長選があります。西崎さんは次の目黒区挑戦に出馬されますか?
正直全く今は考えていないというか、出るか出ないかも含めて全く考えていない。そういう余裕がない状況です。
――当然、今は都議選に集中されると思いますが、再び目黒区長に挑戦する可能性というのは? もし2年後の区長選に出るのなら、今回都議になっても2年で辞めるのかな?と思う人も多いと思います。
そういう意味では、昨年挑戦したぐらいですから、意欲が全く無いわけではないです。そうは言っても、自分のライフプランの中で、次の挑戦をどう位置付けていくのかというのは、なかなか判断ができない状況でして。
可能性としてはゼロではないですけど、今はちょっと想像できないですね。
選挙戦
――都議選の告示日まで半月を切りましたが(5月30日にインタビューを行いました。)、他に立候補予定を表明されている方に比べて、WebサイトやSNSなどの発信がほとんどないので、公約とかどのような政策を掲げられるのかがインタビュー前に調べられなかったのですが、何か事情がおありだったのですか? 選挙事務所もまだないそうですが?
政策の部分で言うと、都議選に向けた立憲民主党の東京都連の政策の取りまとめを、政調会長としてこの間ずっとやっていて、まもなく発表になるのですが、ちょっとそれに時間を取られていて。それと並行して自分の政策を作ってはいるんですけれども、自分の媒体をコントロールできる余裕がこの間なかったというのが正直なところです。
――他区の都議の方とお話しする機会が先日あったのですが、西崎さんの話題になった時、西崎さんは安泰でしょうとおっしゃっている方がいて、西崎さん的には都議選は楽勝っていうイメージがあるのですか?
いやいや、そんなことは全くなくてですね。東京都議会立憲民主党の政調会長という役目をいただいていて、去年の12月の代表質問から今度の予算審査、プラス立憲民主都連全体の政策立案とですね、自分自身初めての経験で、とにかくそれに追われてこの半年間本当にあっという間に過ぎていってしまったというのが実際のところです。焦りはありながら、手が回っていないと言う状況が正直なところです。
――お忙しかったのですね。ではこれからいよいよ選挙事務所びらきとかボランティアさんに集まってもらったりとかいろいろ準備されるんですね。
看板は出しますけど、人が常駐しているような選挙事務所の予定はないです。
――え? 証紙貼りとか電話かけとか、ボランティアさんが作業する時どうするんですか?
そういうのは別に事務所なくてもできますね。(証紙貼りは)住区センターとかどこかの施設を借りてできるので。
お金がないというのもありまして、チラシの作成が遅れていたのも資金のメドが立たなかったというか。あ、でも街頭演説は(スピーカーの)電池代だけでできるので、それをいっぱいやってます。
――なんか……、その……、選挙戦に臨む温度差が、他の方とちょっと違うのでびっくりしたんですけど、それを素直に話されるのが西崎さんらしさなのかなと……。
都議として取り組んできたこと
――話題を変えまして、都議に戻られてからのこの1年で取り組んでこられたことについてお聞かせください。
やはり、東京都の予算の使い方の面ですね、例えばプロジェクションマッピングは以前からありましたけど、今度お台場に予定されている噴水の話ですとか、そいういったものについて、東京都の本来の仕事はなんなんだというところ。華々しいイベントだったり噴水だったりに巨額の公金を使うのではなく、都民の暮らしを支えるほうにもっと都の施策を振り向けていくべきだという主張を、一貫してやってきたと思っています。
この一年というかそれ以前からですが、プロジェクションマッピングも噴水も、都議127人の中で一番最初に追求したのが私なんです。そういったところに目を光らせていくという仕事を、変わらずやってきたつもりです。
――予算の使い道についてしっかりチェック機能の役割を果たしてこられたということですね。他にはなにかありますか?
12月の代表質問でやったんですけれど、人手不足の問題をどうにかしないと立ち行かなくなるでしょうという問題を、相当強く質疑をしまして。2024年問題で建築運輸が人手不足といわれていますけど、今あらゆるところが人手不足で、そこをいかに中小企業を中心に人を確保していくか、また非正規で働いている人たちを雇用に転換する支援をするといったところを代表質問で取り上げました。
――具体的に、どのようにしたら人手不足が解消するとお考えですか?
ひとつは働き方の問題で、結婚出産を期に自分のライフキャリアがどうなっていくかわからないと言う問題で、各企業の雇用制度を変えると支援金をだして奨励していくような取り組みをさらに進めていくべきだということを主張してきました。
――すみません、どのように制度を変えればいいのか、もう少しわかりやすく説明していただけますか?
一番わかりやすいのが、中小企業で産休育休が取れないというのがいまだにあるわけですよね。じゃあ、その産休育休の間、代替要員を用意するのであれば支援金を出すとか、そういうような取り組みです。働き方の制度改革を中小企業に進めてもらうことで、キャリアが閉ざされてしまわないように、そういう方を少しでも繋げていく取り組みです。
――今のお話しですと、産休育休のとりやすさの問題と、職場復帰してもキャリアが保証されるかどうかという2つの問題が含まれてますよね? 支援金で代替の人を雇いやすくなるから育休が取りやすくなる。育休後職場復帰するとキャリアが保証される。
これはメニューのうちのひとつですけど、そういう制度がなかったら、結婚や出産をしたらもう働けなくなりますよね。それで辞めてしまったら人手不足になってしまう。これまで働いてくれた社員を繋ぎ止めたい、貴重な人材が流出するのを防げると思うんですよね。
カスタマーハラスメント
――これまでカスタマーハラスメント(以下 カスハラ)について、取り組んでこられましたよね。
カスハラ対策は、もともと連合東京(労働組合)の要請もあって取り組みました。連合東京さんは、各会派や知事だったりいろんなところに要請を出されてるんですけど、東京都は当初あまり乗り気じゃなかったんです。立憲民主党としては、議会に条例を作る機能があるんだから、これを条例にしようということで、プロジェクトチームを立ち上げました。
で、条例案を出すところまでいったんですけど、これが都議会のいいところというか悪いところというか、(立憲民主の動きを見て)これまで乗り気じゃなかった与党側の会派も対策はしなきゃいけないから東京都に作れと迫ってですね、うちはどうしても野党的な立場なので(条例案を取り下げて)、東京都が条例をつくるということになりました。
このカスハラ対策条例は、都議会立憲の動きがなかったらできてなかったことだと思いますので。
――最終的に、条例はできたんですか?
条例は制定されまして、今年の4月に施行となりました。
――条例はカスハラ防止に実効的な内容になったのですか?
(実効性という意味では)罰則はない条例でして。カスハラはダメだっていうことを明確に示して、業界ごとにガイドラインを作っていくものなんです。どこからがハラスメントかという線引きが難しいですから、どこまでが正当なクレームでどこからがハラスメントかということをひとつひとつかなり細かく例示をしていく。企業としてはこういう対応をしてくださいねということを示していくということです。
東京都は今年度50億円の予算を使って、カスハラの取り組みをした企業に奨励金をだすということをやっているので、会社が労働者を守ってくださいねということなんです。
これまで会社側の取り組みが不十分だということを労働組合からかなり聞いていたので、会社の取り組みを促すという意味では効果があるんじゃないかと期待しています。
――強制力のある罰則規定のある条例ではないけど、周知させるための条例ができたということですね。
国の方でも今カスハラ対策の取り組みが進んでいるようですけど、東京都がやると国の方が慌てるわけですよ。
今度は法律で罰則も含めて全国で適応されるようなルールが作られる可能性があるわけですから、条例制定にはこういう波及効果があると思います。
――東京都と与党会派にネタをパクられたけど、最初に取り組んだのは私たちだぞと。
給食費の無償化もそうですけど、議会で何回も提案しては一蹴されっていうことが続いていたのに、急にやるということになって。
都議会は手柄の取り合いみたいなことがあまりにも目につきますけど、私としては、提案してきたことが最終的に物事が良い方向に進めばいいのかなと思っています。
都議選で訴える政策
――都議会でのこれまでの取り組みを聞いてきましたが、今回の都議選で訴える政策について聞かせてください。
都議選向けの政策というか、今ようやくチラシができてきて、手元にあるんですけど。
東京都の施策が今やっぱりおかしいんだよねっていう主張をしていきたいと思っていまして、都民は豊かなのかというと実は必ずしもそうではないということを、いろんな角度から検証するバックデータを第一弾としてお配りしようと。
参照:レポートチラシPDF
――私もレポートはブログに書かれているのを拝見しましたが、それは現状がどうなのかを解説するための情報であって、今回インタビューでお聞きしたかったのは、その状況をどうやって解決するのかという具体的な政策をお聞きしたかったんです。
それはまさにこのレポートの最後にちょこっと書いてあるんですけど、家賃補助の話であったり、教育の無償化であったり、賃上げの原資の確保であったり、そういう手当を広げていくというような訴えにしていきますので。
その部分はこれから出していく予定です。
――そうですか。本当は今回そこを深掘りして聞きたかったんですが、事前に情報が得られなかったのでこれまでの取り組みについてのお話がメインになってしまいました。具体的な政策が出たらまた詳しく聞かせてください。
公約発表後のインタビューをお願いしましたが、告示日までに取材の予定が取れませんでした。
今後チラシやWebなどで情報発信されると思いますので、ぜひ街頭演説の時など直接対話ができる機会にご本人に質問してみてください。
聞き手&写真:植田泰(めぐろ区民ジャーナル編集委員)
外遊びフェス「ビオキッズ」実行委員長、映画「あそびのレンズ」プロデューサー、めぐろ子ども子育て連絡会 会員、めぐろあそびばねっと メンバー、そとあそびプロジェクト・せたがや 理事、一般社団法人 日本プレイワーク協会 理事 ほか。
2013年より世田谷区の羽根木公園で外遊びをテーマにした野外フェス「ビオキッズ」を主催。世田谷における民間発の外遊び啓発事業として成果をあげる。 めぐろ子ども子育て連絡会や、めぐろあそびばねっと など、目黒区内で子ども・子育て支援の活動を続ける。 本職はグラフィックデザイナー。