2024年4月22日に目黒区長選挙と区議補欠選挙の投開票が行われました。
結果は、現職の青木英二氏が当選し、6期目の青木区政となります。区議補選では立憲民主党の元職・橋本しょうへい氏が当選しました。おめでとうございます。

では、今回の区長選挙の結果を、前回の区長選や昨年の区議選の得票数と比較しながらみていきたいと思います。

graph_24-20_02

実質的に新たな支持を増やした青木氏

青木氏の得票は、前回2020年が30,178票、今回25,439票。数字だけ見ると4,739票の減少ですが、前回の区長選挙の時は自民・公明の支持があり、今回は自民は河野氏支持、公明は自主投票となっているので、河野氏分の自民票が減っていることになります。

ということは、自民票を減らしはしたが、7,410票の新たな支持を得たことになります。

逆風に勝てなかった河野氏

一方の河野氏の得票12,149票は、区議選の自民党の合計得票数17,134票から4,985票の減少。一連の不祥事や裏金疑惑により、自民支持が大きく減っていることを伺わせます。

逆風の中での健闘かなわず、河野氏は4位の得票。そして、後任に送り出した新井氏も区議補選で落選となりました。

graph_aoki_11

得票数は減ったものの、2020年に比べ自民票が河野氏に流れたので、2024年の河野氏の得票数を引くと7,410票の増加と考えられる。

支持が広がらなかった野党共闘陣営

区議会議員選挙の政党別得票数で、西崎氏の支持層の立民・共産・生活者ネット、そして支持を表明していませんが、れいわ新選組の得票を合わせると20,031票なので、西崎氏19,132票とほぼ同数。昨年の区議選から野党共闘の支持層があまり広がらなかったことが伺えます。

また、前回の区長選は今回と同じ図式で立民・共産の野党共闘でした。前回の区長選の山本ひろこ氏の26,908票から7,776票減らしたということは、その分の票が伊藤氏と青木氏に流れたと考えられます。

graph_06

幅広い層から支持を集めた伊藤氏。たきした氏は既存の枠組みへの批判票を集めたか?

伊藤氏の得票20,369票については、野党支持層の一部をはじめ、無党派層や与党支持層から流れた票を一手に集めたとみられます。

たきした氏は、全くの政治経験がなく選挙活動も他候補に比べてかなり物量ともに少ないことを考えると、その中で3,953票を獲ったことはすごいことだと思います。
区議選で3,000票を超えるのは上位3名ほど。区議選に比べ候補者数が少ないとはいえ、これだけの票を得たということは、既存の政治の枠組みに対するアンチテーゼといえるのかもしれません。

6期目の青木氏の今後に注視!

6期目となる青木氏は、3年で辞職し区長選の時期を統一地方選に合わせること、そして退職金を辞退することを今回の公約としています。
多選批判をしていたにも関わらず6期も続けている青木氏なので、3年後に本当に辞職するのか、有権者はしっかりと注視していく必要があります。

今回、他候補から長期区政の弊害について多く指摘がありましたが、それでも有権者は現職を支持しました。前回区長選より投票率が若干伸びはしましたが、昨年の統一地方選に比べると15,810票の差があります。
青木氏の公約通り、3年後に同時選挙になればこの15,000票あまりの動向が決戦を左右することになります。

今回の区長選挙が盛り上がりに欠けたのは、単一選挙であったことだけでなく、依然として区政への関心が低いことが最大の理由ではないでしょうか。
その意味では、長期にわたる青木区政によって区政への関心度が下がり、住民自治のレベルが下がっていることの証左とも言えます。
青木氏は、投票数比での得票率は31%ですが、有権者数比では11%の支持しか得ていません。投票していない人が64%と2/3以上いるこの状況を変えることが、区政をよくしていくことの第一歩であることは間違いないでしょう。

解説&グラフ作成:植田泰(めぐろ区民ジャーナル編集委員)

外遊びフェス「ビオキッズ」実行委員長、映画「あそびのレンズ」プロデューサー、めぐろ子ども子育て連絡会 会員、めぐろあそびばねっと メンバー、そとあそびプロジェクト・せたがや 理事、一般社団法人 日本プレイワーク協会 理事 ほか。

2013年より世田谷区の羽根木公園で外遊びをテーマにした野外フェス「ビオキッズ」を主催。世田谷における民間発の外遊び啓発事業として成果をあげる。 2013年よりボランティアグループ「マンマの会」(現在はNPO法人 マンマの会)と共に目黒区柿の木坂に子育てひろばcoccoloを開設。めぐろ子ども子育て連絡会や、めぐろあそびばねっと など、目黒区内で子ども・子育て支援の活動を続ける。 本職はグラフィックデザイナー。